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OpenFlow(OFS〜OFC間のTCPコネクション確立)【ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問2-2】

 情報処理技術者試験の午後問題を通じて、ネットワークの知識を体系的に蓄積していきましょう。

 キーワードに加え、設計や障害対応能力をシミュレーションできる良い学びの場ですので、試験合格はもちろん、ネットワークスペシャリストとなった後も能力向上のために学習できるいい機会です。

 今回は、「OpenFlow(OFS〜OFC間のTCPコネクション確立)」を取り上げた「ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問2-2」です。

 問題文中、設問に該当する部分ですぐに解答を説明しています。

 ストーリーとして何度も読みこなすと、自然に記憶に定着してくると思います。

ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問2-2

問2 サービス基盤の構築に関する次の記述を読んで、設問1~5に答えよ。

(略)

【SDN方式でのサービス基盤の構成案】

 次に、Jさんは、SDN製品のベンダの協力を得て、SDN方式で構築する場合のサービス基盤の構成を検討した。

 SDNを実現する技術の中に、OpenFlow(以下、OFという)がある。今回の検討では、標準化が進んでいるOFを利用することにした。

 OFは、データ転送を行うスイッチ(以下、OFSという)と、OFSの動作を制御するコントローラ(以下、OFCという)から構成される。OFSによるデータ転送は、OFCによって設定されたフローテーブル(以下、Fテーブルという)に基づいて行われる。

 Jさんが設計した、OFによるサービス基盤の構成案を図3に示す。

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 OFSは2台構成とし、相互に接続する。図3中の既設のL2SW及びL3SWのサービス基盤への接続ポートには、リンクアグリゲーションを設定し、OFS1とOFS2に接続する。物理サーバには、図2と同様に2枚のNICを実装して各NICをアクティブ/アクティブの状態にする。FWとLBには、仮想サーバ上で稼働する仮想アプライアンス製品を利用する。OFCは、OFS1とOFS2の管理用ポートに接続する。

 これらのOFSは、起動するとOFCとの間でTCPコネクションを確立する。その後は、OFCとの間の通信路となるOFチャネルが開設され、それを経由してOFCからFテーブルの作成や更新が行われる。したがって、OFSの導入時には、④OFCとのTCPコネクションの確立に必要な最小限の情報を設定すればよく、導入作業は容易である。

④の情報を、15字以内で答えよ。:OFCのIPアドレス(又は、自OFSのIPアドレス)

 TCPコネクションを確立するには、通信先と3ウェイハンドシェイクのやり取りを行う必要があります。

 そのためには、通信先とIPリーチャブルであること、つまりIPアドレスによる通信が可能であることが必要です。

 IPアドレスによる通信には、自分と通信先のIPアドレスに、必要であればデフォルトゲートウェイの設定が必要になります。

 図3には具体的なIPアドレスの情報がありませんが、注記2にもあるように、OFCとOFSの接続がL2SW1を介して接続されていることが分かります。

 したがって、OFCとOFSは同じセグメント内でルーティング不要で通信可能なため、デフォルトゲートウェイの設定は不要です。

 また、3ウェイハンドシェイクにはTCPポート番号も必要ですが、OFチャネルのTCPポート番号は「6653」と決まっていて、設定は不要と考えていいでしょう。

 Jさんは、二つの方式で設計したサービス基盤の構成をN主任に説明したところ、二つの方式を比較し、Y社に適した方式を提案するよう指示を受けた。

【出典:ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問2(一部、加工あり)】

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2018h30_2/2018h30a_nw_pm2_qs.pdf