MQTT(SUBSCRIBE、トピック名、PUBLISH、送信時間)【ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問1-3】
情報処理技術者試験の午後問題を通じて、ネットワークの知識を体系的に蓄積していきましょう。
キーワードに加え、設計や障害対応能力をシミュレーションできる良い学びの場ですので、試験合格はもちろん、ネットワークスペシャリストとなった後も能力向上のために学習できるいい機会です。
今回は、「MQTT(SUBSCRIBE、トピック名、PUBLISH、送信時間)」を取り上げた「ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問1-3」です。
問題文中、設問に該当する部分ですぐに解答を説明しています。
ストーリーとして何度も読みこなすと、自然に記憶に定着してくると思います。
ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問1-3
問1 ネットワークシステムの設計に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。
(略)
(略)
(略)
(略)
・配信先となるクライアントは、サーバにSUBSCRIBEを送信し、購読対象のメッセージを、トピック名を使って通知する。サーバはクライアントにSUBACKを返信し、購読要求を受け付けたことを通知する。
・配信元クライアントは、PUBLISHを使ってサーバにメッセージを送信する。
・メッセージを受信したサーバは、PUBLISHにに含まれるトピック名について購読要求を受け付けている全てのクライアントに、そのメッセージを送信する。
(略)
次にWさんは、Xシステムの2種類のメッセージ交換について、トピック名、QoSレベル、及び配信元と配信先を整理した。
Xシステムのメッセージ交換を図4に示す。
図4の説明を次に示す。
・項番1では、デバイスDiは、あらかじめ(オ:SUBSCRIBE)を交換サーバに送信し、トピック名が(カ:config/Di)のPUBLISHが送信されるようにする。
オ:SUBSCRIBE、カ:config/Di
項番1は業務サーバがクライアント(配信元)で、デバイスDiがクライアント(配信先)になります。
クライアントの事前動作について、図2の通信シーケンスで「配信先となるクライアントは、サーバにSUBSCRIBEを送信し、購読対象のメッセージを、トピック名を使って通知する」と説明されています。
購読対象のメッセージのトピック名は、項番1では「config/Di」になります。
・項番1では、QoSレベルとして2が使用されている。交換サーバからデバイスDiへのPUBLISH送信中に(キ:デバイスDi)が電源断などで非稼動になった場合、そのPUBLISHは、(ク:交換サーバ)の中に保存され、稼働再開後に再送される。
キ:デバイスDi、ク:交換サーバ
送信者である交換サーバ、受信者であるデバイスDiとのやり取りで、PUBLISH送信中に非稼動になる方は、デバイスDiと考えられます。
また、その時にPUBLISHを保存するのは送信者である交換サーバになります。
・項番2では、QoSレベルとして0が使用されている。これは、(ケ:業務サーバ)及びエッジサーバは安定した稼働が見込めるからである。
ケ:業務サーバ
項番2では、受信者は業務サーバとエッジサーバです。
「安定した稼働が見込める」とは、電源停止などで非稼働状態にならないことであり、サーバが該当します。
一方、デバイスは顧客の工場内にあり、使用していないデバイスは電源停止などで非稼働状態になる可能性があります。
Wさんは、1台の業務サーバが6,000台のデバイスの設定を変更する場合の送信時間(T)を概算した。
WさんがTの概算に用いた通信シーケンスを図5に示す。
図5中の装置の処理時間を無視し、図5中のt1及びt2は、それぞれの装置間のRTT(Round Trip Time)の2倍に等しいとし、LANのRTTを20ミリ秒、WANのRTTを200ミリ秒とすると、Tは次のように概算できる。
T=m×t1+t2=6,000×2×20+2×200(ミリ秒)≒ 4(分)
この概算を基に、Wさんは、次のように報告することにした。
・TCPコネクションが正常であれば、全デバイスへの設定情報の送信は4分間程度で完了する。
・ただし、図1に示すように、(コ:業務サーバ、交換サーバ)は同一拠点に設置されている必要がある。
【出典:ネットワークスペシャリスト試験 平成30年度 秋期 午後2 問1(一部、加工あり)】
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2018h30_2/2018h30a_nw_pm2_qs.pdf
コ:業務サーバ、交換サーバ
「同一拠点に設置」とあるのは、この概算において二つの装置間がLANにあることを示します。
LANのRTTである20ミリ秒を使っているのは「t1」になりますので、図5から二つの装置は業務サーバと交換サーバになります。
別の解き方として、図5の装置のうち、図1の構成例で「同一拠点に設置」しているものはどれかを探す方法があります。
それによりX社の中に業務サーバと交換サーバが該当します。