やさしいネットワークとセキュリティ

情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト、技術士として、資格取得を目指す方に有益な情報を発信します。

NAPT【ネットワークスペシャリスト試験 平成29年度 秋期 午後1 問3 設問1】

 情報処理技術者試験の午後問題を通じて、ネットワークの知識を体系的に蓄積していきましょう。

 キーワードに加え、設計や障害対応能力をシミュレーションできる良い学びの場ですので、試験合格はもちろん、ネットワークスペシャリストとなった後も能力向上のために学習できるいい機会です。

 今回は、「V」を取り上げた「ネットワークスペシャリスト試験 平成29年度 秋期 午後1 問3 設問1」です。

 問題文中、設問に該当する部分ですぐに解答を説明しています。

 ストーリーとして何度も読みこなすと、自然に記憶に定着してくると思います。

ネットワークスペシャリスト試験 平成29年度 秋期 午後1 問3 設問1

問3 社内ネットワークとクラウドサービスとのネットワーク接続に関する次の記述を読んで、設問1〜4に答えよ。

 K社は、中堅の加工食品販売会社である。K社では、幾つかあるシステムのうち、販売管理システムを更改する予定である。販売管理システムは、K社製品の在庫の管理、販売計画及び販売実績の管理に使用されている。

【クラウドサービスとのネットワーク接続の検討】

 販売管理システムの更改に当たって発足したプロジェクトチームが検討を進めた結果、L社が提供しているクラウドサービス(以下、L社クラウドサービスという)を利用する案が有力視されている。そこで、L社クラウドサービスを試験的に利用して評価することになった。プロジェクトチームのOさんが、K社ネットワーク(以下、K社NWという)とL社クラウドサービスとのネットワーク接続を担当することになった。L社クラウドサービスのサービス仕様に従ってOさんが考えた、L社クラウドサービスとのネットワーク接続構成を図1に示す。

f:id:aolaniengineer:20200701182847p:plain

 

 図1のL社クラウドサービスとのネットワーク接続構成の概要は、次のとおりである。

・L3SWにVPNセグメントを作成する。VPNルータとしてVPNa1とVPNb1を新たに設置し、DMZとVPNセグメントに接続する。

・VPNa1はVPNa2との間に、VPNb1はVPNb2との間に、VPNトンネルを構成する。

・VPNトンネルは、VPNa1側をアクティブ、VPNb1側をスタンバイとする。

・VPNa1、VPNb1及びL3SWの間ではOSPFで経路情報の交換を行う。

・L社クラウドサービス内では、評価のために、販売管理サーバと販売管理DBを構築し、K社NWのクライアントセグメントから利用できるようにする。

・K社NWのクライアントセグメントのPC及びサーバセグメントのサーバには、L3SWをデフォルトゲートウェイとして設定する。また、L3SWには、FWをデフォルトゲートウェイとして設定する。

・K社NWのPCとサーバには、プライベートIPアドレスを割り当てる。PC及びサーバからインターネットへのWeb閲覧などの通信は、FWでIPアドレスとポート番号の変換処理である(ア:NAPT)を行う。

【出典:ネットワークスペシャリスト試験 平成29年度 秋期 午後1 問3(一部、加工あり)】

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2017h29_2/2017h29a_nw_pm1_qs.pdf

ア:NAPT

 知識問題ですね。

 IPアドレスとポート番号の変換を行うのは、NAPT(Network Address Port Translation)です。